白神クラブ

筑波大大学院世界遺産専攻2年外崎が運営しています。

学会報告

こんにちは。
筑波大学世界遺産専攻D1の外崎です。

2016年3月 生態学会@仙台


この学会では、社会学系の自分にとっても勉強になる発表が多くあり、とても刺激になりました。

東日本大震災の影響については、今広範囲で大規模な工事が行われていて、災害による自然の調査の他に、人為的な影響をどう評価するかという指摘が数多く出されていました。また、市民や自然保護活動を行っている方々からは、貴重な自然地域が災害によって消失したとみなされ、工事が進んでいる現状が報告されました。

市民科学と研究者がどう恊働すべきかという話題では、同じプロジェクトに携わっていても参加している地域の人々と研究者、行政では目標や認識が異なっていることを理解しておく必要があるということでした。
市民側のニーズを明らかにしておくことが必要であることや、専門でない方々が楽しく続けてくれるように成果やメリットを見えるようにしなければなりません。
また研究者側ではプロジェクトを長く継続して維持することが難しいため、継続して行ってくれる主体に移行して、研究者はアドバイザーになる形がいいとの指摘もありました。

また、文化財に比べて、自然遺産や生物多様性、保護地域などの普及啓発・拠点の整備は遅れているという指摘もありました。
福島県只見町のブナセンターや福井県里山里海湖研究所など、新しい自然系の博物館や教育研究拠点も増えてきているものの、地域にそのようなミュージアムがない場合も多く、ない場合に市民や研究者の拠点がなく困っているという現状も報告されました。
そのような拠点施設が地域にないことによって、人材育成ができない、人材不足が起こったり、生物多様性を守る計画を作っていても計画のみで実行まで至らないことも多々あるようです。

ポスター発表でも有用なコメント・議論をたくさんいただきました。白神山地での自然と文化を考えている身としては、白神山地を自然遺産ではなく文化遺産としてみたときはどんな見方ができますかとの指摘は新たな視点をいただくことができました。

自然と文化両方を共に考えていくときに、いま活発になってきている「地域学」がもっと自然面についても考えていくと良いのではないかと感じました。文化遺産の博物館と自然遺産の博物館というように分けてしまうのではなく、両方を扱う地域学がメインとなるような地域の教育研究拠点施設ができるといいのではないかと感じました。これから東北学などの地域学についてもっと理解と勉強をふかめなくてはと思いました。

私自身、白神山地を対象地として持ちつつも、内向きにならず、いろいろな分野の研究者、地域の方々、行政の方々と外側にオープンに勉強し、活動していかなくてはならないと思います。

 

白神クラブでは、白神山地や自然遺産に興味のある人を募集しています。
初心者も多いので、勉強会や簡単なトレッキングから始めています。
他分野の学群生、院生など幅広い参加があります。
興味のある方はぜひご連絡ください。

近々、目屋の方にスノートレッキングに行くことになっています。
マタギの方のお話も聞く予定です。
次回はその報告ができると思います。